コロナウイルスが猛威を振るい始めたころから囁かれ始めた「2020年の東京オリンピック延期・中止案」。
東京の代わりにロンドンで開催するとロンドン市長候補が発言したことも注目されたものの、やはり予定通り行われるのではという声が国内では多くありました。
しかし、2020年3月13日にトランプ大統領から「2020年に開催される東京オリンピックは1年間延期にした方が良い」との発言があり、東京オリンピックの延期案が現実味を帯びてきました。
そこで今回は、東京オリンピックの延期・中止の可能性やメリット・デメリットを深堀していきたいと思います。
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東京オリンピックの中止の可能性は?

WHOの判断次第
東京オリンピックについては、IOC(国際オリンピック委員会)とWHO(世界保健機関)が2020年2月中旬から専門家と定期的に協議しているようで、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は以下のように述べています。
WHOが開催中止を勧告した場合には従うことになる
出典:NEWS JAPAN
つまり、WHOの判断でIOCは東京オリンピック中止を決めると言うことです。
現段階では中止の可能性は低いのでは
IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は、2020年3月3日の理事会で、以下のような緊急声明を出しました。
すべての選手に東京五輪に向け準備を続けるように促したい
出典:J-CAST
また、バッハ会長は3月4日のスイス・ローザンヌで行われた理事会終了後には、臨時記者会見で以下のように述べています。
理事会では大会の中止や延期ということばは出なかった。もちろん責任ある組織だから持ち上がる課題には対処していくが、過度な臆測は一切行っていない
出典:訪日ラボ
また、2020年3月13日時点でも「東京オリンピック開催と成功に向けて準備を進めている」とのことです。
IOCのバッハ会長は一貫して東京オリンピックの通常開催に向けて動いていると発表されているため、まだ延期案もある現時点での東京オリンピックの中止の可能性は低いのではないでしょうか。
東京オリンピック延期の可能性は?

日本政府は2020年後半開催の可能性を発言
2020年東京オリンピックの中止がなかったとしても、延期の可能性は残ります。
2020年3月3日には、日本政府が東京オリンピック延期の可能性を発表しています。
日本の橋本聖子五輪相は3日、新型コロナウイルスによる感染症(COVID-19)の拡大を受け、今夏に予定されている東京五輪を年後半に延期する可能性があると発言した。
出典:NEWS JAPAN
2020年3月に入ってから、コロナウイルスの影響はますます広がっています。
世界的な感染の広がりと不安を受けて、日本政府として安全を考えているアピールだったのだと思いますが、当事者の日本政府が発表していることから、延期の可能性は十分あり得るのではと思います。
アメリカのトランプ大統領は1年間の延期の意見
一方2020年東京オリンピック開催の延期について、2020年3月13日にトランプ大統領は以下のように述べました。
これは私の考えだが、東京オリンピックは1年間延期した方が良いかもしれない。観客なしで開催するより、1年延期する方が良い選択肢だと思う」(アメリカ トランプ大統領)
出典:TBSニュース
日本よりもアメリカの方が、よりコロナウイルスに対して警戒感が強い感じがしますね。
東京オリンピックの延期・中止決定はIOC次第
ここまで日本やアメリカでの延期の考え方をまとめてきましたが、しかし、結局のところ2020年の東京オリンピック延期・中止を決められるのはIOCです。
というのも、2013年9月に2020年のオリンピックが東京に決まった際、東京都・JOC(日本オリンピック委員会)とIOC(国際オリンピック委員会)と結んだ開催都市契約によると、大会についての決定はIOCが単独で延期や中止の判断が出来ると言うことになっているためです。
そのため、実際に東京オリンピックが延期になるのかどうかは、日本をはじめ各国の意見と言うより、WHOやIOCの判断がカギになりそうです。
前述したとおり、IOCのバッハ会長は2020年3月3日~13日にかけて、取材に対して「通常開催を目指して動いている」と答えています。
そのため、通常開催と延期のどちらが可能性が高いかと言えば、2020年3月13日現在では通常開催の可能性の方が高いのではと考えられます。
東京オリンピック延期のメリットは?

もし本当に2020年の東京オリンピックが延期になったとしたら、どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。
東京オリンピックの開催は庶民の生活にも関わる部分なので、調べてみました。
コロナウイルスの拡散を抑えられる

東京オリンピック延期のメリットは、まず第一にコロナウイルスの拡散防止が出来るという点です。
コロナウイルスはインフルエンザと似ているウイルスであるため、インフルエンザと同様に夏頃に自然収束するかもしれません。そうなれば、夏から秋にオリンピックの時期をずらせば、安全に観戦できると考えられます。
観客の観戦のもとで試合が開催できる

コロナウイルス感染の危険がある2020年夏時点で東京オリンピックを開催する場合、無観客での試合となる可能性もあります。
観客の声援なしのオリンピック試合…なんとも虚しいです。
トランプ大統領も、2020年3月13日のインタビューで以下のようにコメントしています。
無観客は想像できない。
観客なしで開催するよりも1年間、延期したほうが良い。
出典:TBSニュース
無観客となると、応援するオリンピックの醍醐味も失われてしまいますし、楽しみにしていたたくさんの人の希望が絶たれてしまいます。
また、無観客試合となった場合の日本経済への影響は相当大きなものとなるはずです。
- 交通機関と宿泊先のキャンセル
- 試合会場近辺の飲食店や小売店の売上げ低下
- チケット代の回収不可
- 会場設営やスタッフ募集のコスト
そのため、無観客試合だけは出来れば避けたいところです。
なので、オリンピック自体の中止や無観客試合になるくらいなら、延期が良いのではと思います。
秋への延期なら、夏の暑い時期を避けられる
東京オリンピックが、夏から秋へ延期されれば、夏の暑い時期を避けられるというメリットが選手と観客の双方であります。
東京の7~8月と言えば、相当な猛暑です。
じめじめした暑さに不慣れな選手は対象を崩してもおかしくないですし、観客もかなりの数が熱中症になる可能性があります。
東京オリンピック延期のデメリットは?
延期した分のオリンピック開催費用が増加する

オリンピックの試合を延期することで、以下のような費用が増加します。
- 新たに会場をおさえるための費用
- 延期にとって損害を受けた人の保障費用
- チケットの再発券・再発送代
- 人件費
- 宣伝広告費
東京オリンピックの費用は既に莫大なものとなっているため、延期にかかる費用が具体的にどのくらいかも気になりますね。
他のイベントへ影響

東京オリンピックが延期になることで、東京オリンピックで使う会場を使う予定だった別のイベントも中止になったり延期になったりしなければいけません。
そのイベントを楽しみにしていた人や航空券・新幹線チケットなどを取って準備していた人にも迷惑が掛かります。
このあたりの保障もどの程度になるのか、気になります。
観客の減少

コロナウイルスを恐れた観客や、海外からに日本に応援にくるはずの人が日程変更によって来れなくなる可能性があります。
そうなると、観客が減少し、オリンピックの試合が盛り上がりに欠ける結果になってしまったりするのでは…と不安です。
試合に向けて準備する選手の負担増
オリンピック・パラリンピックの試合に向けて準備していた選手たちにとっても、2020年のオリンピック・パラリンピックの試合延期は大変だと思います。
試合に向けて準備していたものが再度調整が必要になったり、夏に照準を合わせて練習していた選手は調子も狂うでしょう。
突然の延期などに臨機応変に対応できる、モチベーション維持や精神力を持っている選手が有利になるかもしれません。
また、年齢制限のある種目もあるため、もし延期になった場合に年齢制限を超えてしまったら出場資格なしになってしまうのかなども、選手は気が気でないと思います。
「東京オリンピックの中止の可能性は?延期のメリットとデメリットまとめ」まとめ

いかがでしたか?
東京オリンピックの中止は、今までかけた手間や費用が無に帰すため最悪のシナリオです。そのため、日本政府はオリンピック中止は出来る限り避け、出来るだけ予定通りの実施、最悪は同年秋への延期で決めたいところでしょう。
東京オリンピックは日本経済に大きな影響を与えるビッグイベントのため、今後の動向に注目が集まります。


