中国で新型ブニヤウイルスの感染者が増加し、死亡者も増えているというニュースが報道されました。
ニュースを見ていると、とにかく得体のしれない怖いウイルスの気がしてしまいます。
そこで、そもそも新型ブニヤウイルスが何なのか、かかるとどうなるのかについて調べました。
- 新型ブニヤウイルスとは
- 新型ブニヤウイルスの症状
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新型ブニヤウイルスとは?
中国で広がっている感染症

新型ブニヤウイルスとは、2020年夏現在中国で広がりつつあるウイルスの総称です。
ブニヤウイルスは,ブニヤウイルス科オルソブニヤウイルス属,ハンタウイルス属,ナイロウイルス属,フレボウイルス属およびトスポウイルス属に分類されるウイルスの総称である.
植物に病原性を有するトスポウイルス属以外は,脊椎動物に感染し,人や動物に重篤な疾患を引き起こす.いずれも,医学・獣医学・農学領域で重要な疾病であり,その多くが人獣共通感染症である
出典:J-Stage
江蘇省南京市の病院では今年に入り、合わせて37人のブニヤウイルスの感染が確認されたとのこと。
安徽省でも4月以降、23人が感染してそのうち5人が死亡。
浙江省では2人が死亡しているようで、感染者をまとめると以下のようになります。
江蘇省…37名感染
安徽省…23名感染、うち5人死亡(死亡率22%)
浙江省…感染者数不明、2名死亡
感染者数としてはまだ多くはないですが、気になるのは安徽省の死亡率。
死亡率22%というのはかなり高い数字で、新型コロナウイルスよりも高いと言えます。
- 日本の死亡率平均…約3・9%(7月20日時点)
- 世界の死亡率平均…約4・2%(7月20日時点)
感染経路

ブニヤウイルスは、一般には蚊やダニを中間宿主として他の動物に伝播するそうです。
動物、植物に感染するものがある。
動物では、カやダニを中間宿主として他の動物に伝播されるものが多い。
出典:法政大学
蚊なら虫よけスプレーなどの対策もできますが、ダニの対策は難しいですよね。
その点で、防ぎにくい感染症でもあります。
別名・SFTSウイルス

今現在中国のブニヤウイルスが話題になっていますが、そもそも新型ブニヤウイルス自体は2009年の春~夏に、中国中央部の農村で初めて報告されたもの。
後にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスと命名され、新興感染症として注目されてきました。
フレボウイルス属のウイルスを原因とし,血小板減少と発熱を特徴とする重篤な疾患が中国で新たに出現し,その後,米国でも存在が確認され新興感染症として注目されている.
出典:J-Stage
つまり、2020年の今になって発見されたわけではなく、10年前からあったものなんです。
しかも中国だけでなく、以前アメリカでも確認されています。
新型ブニヤウイルスにかかるとどうなる?
症状

江蘇省南京市に住む新型ブニヤウイルスに感染した60代の女性は、40度の高熱とせき、だるさの症状があったようです。
また、白血球の減少や体内の出血も見られるそう。
専門家は新型ブニヤウイルスに感染した場合、白血球の減少や体内の出血などが見られるとしています。
出典:テレ朝ニュース
最悪の場合、死亡

前述のとおり、中国の安徽省では23名が感染し、うち5人が死亡したため死亡率が22%となっています。
最悪の場合は死亡する可能性もあるウイルスです。
ハンタウイルスとの違いは?
ハンタウイルスもブニヤウイルス

2020年4月頃に、新型コロナウイルスよりも毒性の強いハンタウイルスが中国で発生したというニュースも報道されました。
新型コロナウイルスの抑え込みに成功したとされる中国で、別の感染症が報告され、騒ぎになった。
雲南省臨滄市の健康委員会は、3月23日、出稼ぎに出ていた男性労働者が、ネズミを媒介とする「ハンタウイルス」に感染し、発症からわずか3時間ほどで死亡したことを報告した。
出典:FLASH
感染すると2週間の潜伏期を経て発熱や呼吸困難を起こすウイルスですが、しかしこのハンタウイルスも、実はブニヤウイルスに分類されるウイルスです。
ハンタウイルスは遺伝子の性状や形態などからブニヤウイルス科の中のハンタウイルス属に分類されている
ハンタウイルスも、1970年代頃に日本でも注目されていたウイルスです。
つまり、今に始まったことではなく、昔からあったんです。
「新型コロナのあとはハンタウイルス」と一時的に騒がれましたが、2020年8月現在、世間から忘れ去られた感があります。
「新型ブニヤウイルスとは?かかるとどうなる?【まずは落ち着くべき】」まとめ

死亡者が増えたことで一気に話題になった新型ブニヤウイルスですが、実はそもそも2009年に発見されていて、しかもハンタウイルスもブニヤウイルスに分類されることがわかりました。
そのため、確かに中国安徽省の死亡率は注意すべきではありますが、今急に恐れるべきものではないと思います。
新型コロナウイルスは、その恐ろしさから視聴率が取れる話題。
ハンタウイルスやブニヤウイルスなど、元々発生していた中国の感染症を話題に挙げ、さも新型コロナの次のウイルスが発生したかのように見せるマスコミの手法なのではと感じました。
そのため、新型ブニヤウイルスもただ恐れるのではなく、その拡がり方の追加報道をじっくりと待つべきです。
もし今後も拡がって死亡率も高いのであれば、恐れましょう。
もしかしたらハンタウイルスのように、1か月後には忘れられているほどの話題かもしれません。

