社会・政治

まさゆめ「巨大な人の顔バルーン」のモデルは誰?目 [mé]とは?

東京2020大会の文化プログラムのプロジェクトの1つである「まさゆめ」。

巨大な人の顔が東京の空に浮遊するという奇妙で不気味な風景が、話題を呼んでいます。

 巨大な人の顔が16日、東京都渋谷区の空を浮遊した。まるでシュールレアリスムの画家が描く夢や幻想の世界が現実になったような奇妙な光景が、通勤や散歩中の人々の目を奪っていた。

出典:読売新聞(2021年7月16日)

どうやらこの巨大な人の顔は実在のモデルがいるようです。

誰が、どのように選考されて巨大バルーンになったのでしょうか。

詳しく調査しました。

まさゆめ「巨大な人の顔バルーン」のモデルは誰?

選考基準

巨大な顔バルーンのモデルは、まさゆめプロジェクトが始まった当初から「あくまで一般人」というこだわりがありました。

有名人の中からではなく、あくまで集まった一般の人から選ぶ。南川さんは「目がこうで、鼻がこうで、と基準を決めるんじゃなくて、誰でもいいけれどこの人でなければならない、という『逆さの必然』が見つかるきっかけを探している」と話す。

出典:朝日新聞デジタル(2019年8月8日)

誰でもいいけれどこの人でなければならない、という『逆さの必然』」という言葉が印象的ですが、基準を決めずに選考を進めるのは確かに難しそうですね。

そして世界中から様々な顔を募集し、「実在する1人の顔」が選ばれることになりました。

「巨大な人の顔バルーン」のモデル選考基準
  • あくまで一般人
  • 世界中から顔を募集
  • 実在する1人の顔

2019年6月の「顔会議」で選考

OL

巨大な人の顔のバルーンは、2019年6月23日に渋谷で行われた「顔会議」で選考開始。

6月23日に参加型公開ミーティングイベント『顔会議』が東京・SHIBAURA HOUSEで開催。「2020年夏の東京の空に、どのような顔が空に浮かぶべきか」という会議を、誰もが参加できるオープンな形で実施する。

出典:CINRA.NET(2021年7月16日)

東京大学特任教授で日本顔学会役員の原島博さんや、法廷画家の宮脇周作さんも登壇し、かなり力が入った選考会となったようですね。

しかし結局、この顔会議では、顔を最終決定するところまではいけませんでした

バルーンの顔モデル

巨大な顔出典:https://masayume.mouthplustwo.me/

2021年7月16日現在、この巨大バルーンの顔のモデルが誰なのかは公式サイトでも明らかにされていません

「あくまで一般人」というポリシーなどから、今後も発表の予定はないのかもしれません。

ちなみに、実は目 [mé]は2014年に宇都宮でも巨大なおじさん顔のバルーンを飛ばしています。

宇都宮の巨大顔バルーン出典:https://www.asahi.com/and/article/20190808/4323334/

このときも宇都宮の一般人のおじさん200人の顔写真を収集し、直径約15メートルのバルーンを飛ばしました。

そしてこのおじさんの名前は結局発表されず…

そのため、今回の巨大な人の顔バルーンの人物名も公表されない可能性が高そうです。

そもそも「まさゆめ」プロジェクトとは?

オリンピック・パラリンピックの文化プログラム

目のメンバー出典:https://www.asahi.com/and/article/20190808/4323334/

オリンピック・パラリンピックと言えばスポーツの試合に目が行きがちですが、実はオリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあります。

そのオリンピック・パラリンピックの文化面でのプロジェクトやイベントを「文化プログラム」と呼び、1912年のストックホルム大会から文化プログラムは実施されてきました。

オリンピック憲章の根本原則に「オリンピズムはスポーツを文化、教育と融合させ、生き方の創造を探求するもの」と記されているとおり、オリンピック・パラリンピックはスポーツばかりではなく、文化の祭典でもある。実際、今から100年以上前、日本が初めて選手団を派遣した1912年のストックホルム大会から文化プログラムは実施されてきた1

実は東京2020大会の文化プログラムは、リオ大会の終了した2016年9月から既に全国各地で実施されている。前の大会終了後から4年間行われる文化の取組は「文化オリンピアード」と呼ばれ、1992年のバルセロナ大会から定着した仕組みである。

出典:ニッセイ基礎研究所(2019年5月31日)

今回の東京オリンピック・パラリンピック2020の文化プログラムは「Tokyo Tokyo FESTIVAL」と呼ばれ、その中の1つのプロジェクトがアート集団・目 [mé]による「まさゆめ」なのです。

「まさゆめ」プロジェクトの趣旨

目 [mé]出典:https://www.asahi.com/and/article/20190808/4323334/

「まさゆめ」プロジェクトには、アート集団・目 [mé]のメンバーである荒神明香さんが中学生の時に見た夢をそのまま実現させてしまおうというプロジェクト。

『まさゆめ』は荒神明香が中学生の時に見たという「街の上空にまるで月のように人間の顔が『ぽっ』と浮かんでいる夢」から着想を得たもので、世界中から様々な「顔」を募集し、選ばれた「実在する1人の顔」を2020年夏に東京の空に浮上させる企画。「顔」が浮かぶ日に向けて、多くの人々の体験や記憶に結びつきながら、プロジェクトの意味、本質を共有することを目指す。

出典:CINRA.NET(2021年7月16日)

「まさゆめ」のプロジェクトを行うことで、「くだらないことを大人が本気で取り組んでいる」という笑いに繋がったり、「こんなことを本気でやってもいいんだ」という勇気を子供たちに伝えたいというメッセージがあります。

顔選びは、答えがないだけに難しそうなテーマだが、完成する作品は単に、巨大な顔が空に浮かんでいるというおかしな光景だ。南川さんは「最後までいくらもめても、顔が浮かぶ日が来れば、作品とかその意味とかを超えて、ただただ『え?』っていうだけだと思う」。荒神さんも、「中学生とか子供たちが見て、こういうことを本気でやっていいんだ!っていう勇気につながったらいいと思います」と話していた。

目 [mé]メンバーは?

目 [mé]とは

目の3人出典:https://www.asahi.com/and/article/20190808/4323334/

目 [mé]とは、アーティストの荒神明香さん、ディレクターの南川憲二さん、インストーラーの増井宏文さんを中心とする現代アートチーム

2012年に活動を開始して以降、様々な個展やプロジェクトを実行し、受賞歴もある実力派のアートチームです。

アーティスト 荒神明香、ディレクター 南川憲二、インストーラー 増井宏文を中心とする現代アートチーム。個々の技術や適性を活かすチーム・クリエイションのもと、特定の手法やジャンルにこだわらず展示空間や観客を含めた状況/導線を重視し、果てしなく不確かな現実世界を私たちの実感に引き寄せようとする作品を展開している。

出典:ほぼ日刊糸井新聞

代表的な個展が2014年の「たよりない現実、この世界の在りか」であり、2021年に巨大な顔バルーンの「まさゆめ」プロジェクトをするまでに様々なプロジェクトの経験をされていますね。

ここにボックスタイトルを入力

の作品例・個展”]

  • 個展「たよりない現実、この世界の在りか」(資生堂ギャラリー、2014年)
  • 《おじさんの顔が空に浮かぶ日》(宇都宮美術館 館外プロジェクト、2013-14年)
  • 《Elemental Detection》(さいたまトリエンナーレ 2016)
  • 《repetitive objects》(大地の芸術祭 越後妻有アート トリエンナーレ2018)
  • 《景体》(六本木クロッシング2019展:つないでみる、森美術館、2019年)
  • 個展「非常にはっきりとわからない」(千葉市美術館、2019年)
  • 個展「ただの世界」(SCAI THE BATHHOUSE、2021年7月6日[火]〜8月7日[土])
ここにボックスタイトルを入力

の受賞歴”]

  • 第28回(2017年度)タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞
  • VOCA展2019佳作賞受賞

荒神明香

荒神明香出典:https://www.asahi.com/and/article/20190808/4323334/

目 [mé]メンバーの1人である荒神明香さんは美術作家。

荒神明香のプロフィール

名前:荒神明香(こうじん・はるか)
生年月日:1983年

荒神明香さんは幼少期より、実体験の中での自然現象や地形・空間などに感心があり、そういった自然現象や地形・空間が荒神明香さん自身の感覚にもたらした影響を再現するような形で美術作品を作るという特徴があります。

今回の巨大な人の顔のバルーンも、荒神明香さんの14歳のときにみた夢が題材になっていますよね。

子供時代の不思議な感覚を美術で表現する方なのですね。