新型コロナウイルスが徐々に日本でも広がりつつあります。
4月3日には、ニューヨーク州では1日に1万人以上が感染しました。しかし、今の2020年4月初旬の東京は、2週間前のニューヨークの患者数と同じ程度です。
確実に新型コロナウイルスが国内で広がっていくなかで、お年寄りや一般人も怖い思いをされていますが、特に情報がなく不安なのが妊婦さんだと思います。
そこで今回は、妊婦さんにおける新型コロナウイルスの危険性や、もし感染の疑いがある場合はどうしたらよいのかをまとめていきます。
- 妊婦さんにおける新型コロナウイルスの危険性
- 感染の疑いがある場合の対処法
全ての情報を、厚生労働省や日本産婦人科学会、アメリカCDCのホームページから調べました
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妊婦さんならではの新型コロナウイルス(COVID-19)の危険性は?
厚生労働省の発表

厚生労働省の発表では、「妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない方と変わらないとされています」としています。
感染が妊娠に与える影響
現時点では、妊娠後期に新型コロナウイルスに感染したとしても、経過や重症度は妊娠していない方と変わらないとされています。
胎児のウイルス感染症例が海外で報告されていますが、胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告はありません。したがって、妊娠中でも過度な心配はいりません。
アメリカCDCの発表

アメリカCDCの発表では、「わからない」と明言していて、それ以上のことは書いていません。
We do not know at this time if COVID-19 would cause problems during pregnancy or affect the health of the baby after birth.
まだ新型コロナウイルスにかかった妊婦さんの例がごく少数のため、羊水や母乳を介して赤ちゃんに感染するかどうかもわからないとされています。
We still do not know if a pregnant woman with COVID-19 can pass the virus that causes COVID-19 to her fetus or baby during pregnancy or delivery. No infants born to mothers with COVID-19 have tested positive for the COVID-19 virus. In these cases, which are a small number, the virus was not found in samples of amniotic fluid or breastmilk.
妊婦さんが取るべき新型コロナ対策は?

手洗い・うがい・消毒

当たり前すぎますが、やはりこの3点セットは基本です。
今はなかなか消毒液も手に入りにくい状況のため、マスクや消毒液を消費しないためにも出来るだけ外出は避けたいですね。
「3密」を避ける

小池都知事もおっしゃっていましたが、はやり密閉空間や人の多い場所は避けるべきです。
一般的に、妊婦の方が肺炎にかかった場合には、重症化する可能性があります。
人混みを避ける、こまめに手を洗うなど日頃の健康管理を徹底してください。
①密閉空間、②密集場所、③密接場面、という3つの「密」が同時に重なるよう
な場所を避けてください。
厚生労働省からも「妊婦が肺炎になると重症化する恐れがある」と言われていますが、やはり妊婦さんは一般人よりも疲れやすく、感染症にもかかりやすいと言われているため、注意が必要です。
特に妊娠中は貧血気味になる方が多いと思います。貧血になると、たくさん呼吸しても酸素が全身に運ばれにくくなるので、どうしても息苦しくなりがちです。
貧血と肺炎が同時に起こった場合などは、一般人よりもつらい状況が続くと思うので、やはり外出を控えるなどの対策を取ることがおすすめです。
新型コロナウイルス感染症の疑いがあるときは?
帰国者・接触者相談センターに連絡

妊婦の方で、風邪の症状や3 7 . 5 度以上の発熱が2 日程度続く方、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合は、早めに帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
厚労省の通達により、受診を希望される方はまず帰国者・接触者相談センターに相談してください。必要に応じて、指示された医療機関を受診してください。
複数の医療機関を受診することは控えてださい。出典:日本産婦人科感染症学会
帰国者・接触者相談センターは、各自治体の保健所に設置されています。
そのため連絡する際は、各都道府県のページから、最寄の保健所の帰国者・接触者相談センターに連絡する必要があります。
全国の帰国者・接触者相談センターの連絡先を厚生労働省で取りまとめています。
下のボタンをクリックすると厚生労働省のページに飛び、都道府県名をクリックしていくと最寄りの保健所とその連絡先がわかります。
妊婦検診は控える

新型コロナウイルス感染の可能性のある時は妊婦健診受診を控えてください。
その場合、可能であれば自宅での血圧測定を行い、記録してください。また,ご家族に患者さんがおられる場合も妊婦健診の受診日を 1-2 週ずらすことは可能ですので主治医に電話でご相談ください。但し、自宅で様子を見ていただくのはそれまでの妊娠経過が正常の場合に限ります。不正出血やお腹の痛み、破水感など産科的症状のある場合は受診が必要ですが、かかりつけの産婦人科で対応できないことがあります。その際には、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。
出典:日本産婦人科感染症学会
PCR検査は受けられない可能性が高い

PCR 検査が現時点で唯一の検査法ですが、偽陰性(感染しているのに検出でき
ない)のことがありますので、心配だからとか念のためという理由で受けるこ
とはできません。3 月 6 日より PCR 検査が保険適用となりましたが、まだ一般の産科医療機関で
は PCR 検査を受けることができない状況です。出典:日本産婦人科感染症学会
感染者と濃厚接触をしてしまったと気づいたとき

ご家族や職場に新型コロナウイルス感染者がおられ、濃厚接触した方はあらかじめご連絡ください。来院時間や外来診療場所など他の患者さんと分けて対応します。その場合、主治医や看護師など医療スタッフはマスクやガウンを着用して感染者に準じた対応をいたします。
出典:日本産婦人科感染症学会
万が一新型コロナウイルス感染症にかかってしまったら?
分娩先を相談
各都道府県においては、妊婦の方が罹患した場合の周産期医療提供体制の整備など、安心・安全な分娩の実現に努めています。新型コロナウイルスに感染した妊婦の方は、かかりつけ産科医療機関と分娩先などについてご相談ください。
赤ちゃんとの面会禁止

妊娠末期(分娩前)に新型コロナウイルスに感染した妊婦さんは,指定医療機関で分娩を行うことになります。新生児お母さん双方のウイルス陰性が確認されるまで面会できずまた授乳もできません。
主治医の判断により感染の有無にかかわらず、ご家族の立会分娩や面会は感染予防のため極力お控えいただくことになります。
出典:日本産婦人科感染症学会
- 立会分娩・立会出産
- 赤ちゃんとの面会
- 家族との面会
- 授乳
人生最大の思い出の1つである出産。
しかし、新型コロナウイルスに感染してしまった妊婦さんは、たとえ元気であっても、行動に色々と制限が出てしまいます。
新型コロナウイルスから回復しても、出産後すぐに授乳しないとその後の母乳の出も悪くなりますし、色々と大変なことがありそうです…
やはり、なんとか感染しないように注意したいですね。
「新型コロナウイルス対策で妊婦がすべきことは?感染の疑いがあるときは?」まとめ

今の時期に出産を控えている方は、本当に毎日不安を抱えていらっしゃると思います。
一刻も早く、新型コロナウイルスの収束を望みます。
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