大幸薬品「クレベリン」が炎上した理由は?病院への無償提供が詐欺?

老舗医薬品メーカー大幸薬品の売れ筋商品であるクレベリン

空間除菌をするという商品で新型コロナ禍で注目されていたため、CMや店頭で見たことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、クレベリンは2021年2月17日にSNSで大炎上となりました。

なぜ大幸薬品のクレベリンが炎上したのでしょうか?

その理由を詳しく調査しました。

クレベリンの炎上理由は?

効果を証明できてないから

クレベリン

出典:https://toyokeizai.net/articles/-/334771

クレベリンは「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」することを宣伝文句とし、新型コロナウイルス対策グッズというイメージで売り上げを伸ばしてきました。

しかし実際は、空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去できたという証明が乏しいようで、2014年に行政処分を受けています。

また、2021年2月17日現在、大幸薬品HPでもクレベリンは医薬品ではなくあくまで「日曜雑貨」であることが明示されています。

クレベリン

出典:大幸薬品HP

2021年現在は、以下のように「大幸薬品調べ」という但し書きの上で販売されています。

※大幸薬品調べ
6畳相当(25㎥)の閉鎖空間でクレベリン置き型製品により、浮遊・付着ウイルスの一種、浮遊・付着菌の一種を180分間で99.9%除去できる事を確認。

※全てのウイルス・菌を除去できるものではありません。

※ご利用環境により、成分の広がりは異なります。

出典:大幸薬品HP(2021年2月17日)

厚生労働省が注意喚起しているから

厚生労働省が新型コロナウイルスへの対策方法をホームページで公開していますが、その中の「空気中のウイルス対策」の項目では、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧することは健康影響の恐れがあると明言されています。

人がいる環境に、消毒や除菌効果を謳う商品を空間噴霧して使用することは、眼、皮膚への付着や吸入による健康影響のおそれがあることから推奨されていません。また、消毒や除菌効果を謳う商品をマスクに噴霧し、薬剤を吸引してしまうような状態でマスクを使用することは、健康被害のおそれがあることから推奨されていません。

出典:厚生労働省HP(2021年2月17日)

強い感染力を持つ新型コロナウイルスを除去するために、人間の細胞などまで被害が出るということですね。

確かに、バルサンなどの噴霧剤を撒く際は人間は退避しますから、ウイルスと言えど菌を殺せるものを住居空間に置くのは健康に悪い気がします。

ベネッセ『たまひよ』でアワードを獲得したから

クレベリン

出典:たまひよHP

大幸薬品のクレベリンは、2020年・2021年と、2年連続でベネッセの育児雑誌『たまひよ』の「買って良かったもの《空間除菌部門》」で1位を獲得しています。

これは実際に育児をしているママたち2000人にアンケートを取った結果でランキングしているものですが、厚生労働省が注意喚起しているものを育児に良いものとしておすすめしています。

また、Amazonへのリンクがあることからクレベリンの販売に繋がったらベネッセは広告収入も得ていそうです。

こういった、健康被害の可能性があるものを雑誌に掲載している点で、大幸薬品だけでなくベネッセにも批判が集まりました

 

病院に無償提供したから

2021年2月17日にクレベリンが大炎上した直接的な原因は、大幸薬品が2月16日にクレベリンを病院へ無償提供したことがきっかけです。

大幸薬品は16日、主力の空間除菌剤「クレベリン」シリーズの一部製品を全国の医療機関に無償で提供すると発表した。クレベリンの置き型、ミニスプレー、胸ポケットなどにさして携帯できるスティックの3タイプが対象で提供総数は計12万個。新型コロナウイルスの感染拡大による衛生意識の高まりでクレベリンは品薄状態が続いていた。

出典:日本経済新聞(2021年2月16日)

クレベリンの効果の証明どころか、健康被害が出かねない空間除菌商品を病院に無償提供することで宣伝効果を狙ったとされ、大きく批判されることとなりました。

[box01 title=”クレベリン無償提供が詐欺と言われる理由・流れ”]
  1. 大幸薬品がクレベリンを病院へ無償提供
  2. 病院にクレベリンがあることを見て「安心な商品だ」と患者が思いこむ
  3. 大幸薬品が「病院でのクレベリンの使用実績」としてカウントする
  4. 患者・一般消費者がクレベリンの効果・安心を信じて購入する
[/box01]

そのためSNS上ではクレベリンの危険性やマーケティングの問題性を指摘する声が多く挙がり、炎上騒ぎとなりました。

大幸薬品は行政指導を受けている?

2014年に措置命令

クレベリン

出典:大幸薬品HP

クレベリンは、2014年に消費者庁から「ウイルス除去等の表示について、裏づけとなる合理的な根拠がない」として措置命令が出ています。

そのため、大幸薬品の柴田高社長は2020年3月9日の東洋経済の取材で以下のように答えています。

「簡単、置くだけ!二酸化塩素分子がお部屋の空間に広がります」というような広告表現には根拠が乏しいという指導を受けた。そのため以後は「ご利用環境によって、成分の広がり方は異なります」というただし書きをつけた。クレベリンを置いた部屋でも、窓を開ければその成分がなくなるのは当然だ。

出典:東洋経済(2020年3月9日)

その他、携帯型の空間除菌用品にも処分

2020年5月には、空間除菌用品を販売する業者5社が消費者庁から行政指導を受けています。

携帯型の空間除菌用品については、「身につけるだけで空間除菌」等の表示が行
われていることがありますが、当該表示の根拠とされる資料は、狭い密閉空間での
実験結果に関する資料であることがほとんどであり、風通しのある場所等で使用す
る際には、表示どおりの効果が得られない可能性があります。

出典:消費者庁HP(令和2年5月15日)

この5社のなかにクレベリンを販売する大幸薬品は含まれていませんが、同じく空間除菌するものとして効果が疑問視する声が増えて行きました。