2020年12月30日に放送予定のスタジオジブリ新作アニメ映画『アーヤと魔女』。
従来のスタジオジブリ作品の常識を覆すような作品のため、どんな映画なのか気になりますよね。
そこで今回は、どんなあらすじなのかが気になり実際に原作を読み、感想までまとめました。



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ジブリ新作映画『アーヤと魔女』のあらすじは?
孤児院に預けられたアーヤ
ある日孤児院「聖モ―ウォード子どもの家」の前にショールにくるまれた女の子が置き去りにされました。
女の子といっしょに置かれていた手紙には、こう書かれていました。
なかまの12人の魔女に、追われています。
逃げきったら、この子を返してもらいに来ます。
何年もかかるかもしれませんけれど。
この子の名前は、アヤツルです。
出典:徳間書店『アーヤと魔女』
「聖モ―ウォード子どもの家」のブリッグズ園長は、この手紙の「魔女」というのもバカバカしいと信じませんでした。
そして「アヤツル」という名前が「操る」みたいで普通じゃないと感じたブリッグズ園長は、その女の子のためと思い「アヤツル」の名前を「アーヤ」として役所に届け出しました。
こうしてアーヤは自分の本当の名前も知らず、お母さんの手紙のことも知らずに大きくなりました。
孤児院で快適に暮らすアーヤ
母親に「聖モ―ウォード子どもの家」に置き去りにされたアーヤは、寂しい思いをするどころか、何不自由ない快適な生活を送っていました。
実はアーヤは周囲の人の気持ちを読み取り、交渉したり、自分の意見を通してもらうように働きかけるのが得意。
そのため、年々ブリッグズ園長先生は優しくなり、コックさんの料理も美味しくアーヤの好きなメニューを出してくれるようになったり、親友のカスタードをはじめ、友達はみんなアーヤの言う通りに動いてくれるようになりました。
そうやってアーヤは周囲の人に働きかけることで、自分の快適な生活を着々と創り上げており、「孤児院から去りたくない、誰にも貰われたくない」と願っていました。
そんなある日、「聖モ―ウォード子どもの家」の子どもを引き取るため不気味な老夫婦のような2人がやってきました。
そしてなぜか2人は、「これにするよ。」と言って、愛想がなく、人気がないアーヤを選び、引き取ることにしたのでした。
魔女の家に引き取られたアーヤ

アーヤを引き取った女の人はベラ・ヤーガという魔女でした。
いつも機嫌の悪そうな男の人はマンドレークといい、実は2人は夫婦ではなかったのです。
当初はこの偏屈な2人に引き取られるのが嫌だったアーヤ。
しかしライム通り13番地の家に引き取られ、相手が魔女だとわかると「魔法を教えてもらえる!」と期待に胸を膨らませます。
しかし2人はアーヤをかわいがることもなく、ただただこき使うばかり。
特に魔女のベラ・ヤーガは、毎日毎日アーヤを脅して力ずくで言うことを聞かせるようにしようとします。
アーヤは毎日家に閉じこめられ、家事や呪文作り、途方もなく汚い家の掃除ばかりやらされ、奴隷のような毎日がすっかりイヤになってしまいます。
知恵を絞り魔女に立ち向かう

ライム通り13番地の魔女の家を抜け出したいアーヤは、魔女の飼っている黒ネコ・トーマスに助けてもらい、この奴隷のような生活から抜け出す方法に知恵を絞ります。
黒ネコ・トーマスは人間の言葉が話せるだけでなく、魔女の呪文や魔法に精通していました。
ベラ・ヤーガは家事をサボったりすると「恐ろしい呪文をかける」とトーマスやアーヤをいつも脅していました。
こうして、アーヤはトーマスと一緒に、ベラ・ヤーガの魔法が自分たちにかからないような呪文を考えることにしました。
ついに「ミミズの罰」の呪文発動
ある日アーヤがベラ・ヤーガへ呪文でいたずらをしたところ、ついにベラ・ヤーガの逆鱗に触れてしまいます。
そしてベラ・ヤーガは、恐ろしい「ミミズの罰」の呪文をアーヤとトーマスにかけました。
しかし、事前にトーマスと一緒に「呪文がかからない呪文」を作っていたアーヤは、ミミズの罰の呪文をかわすことができました。
しかし、呪文をかわしたことがバレてしまうと、ベラ・ヤーガからさらなる報復を受けてしまう恐れがあります。
そこでアーヤは、かわした魔法のミミズをマンドレークの部屋に続くの壁穴に入れて隠すことにしました。
マンドレークの怒り爆発
目には見えないデーモンという魔物を操り、食事を手配したり、アーヤが逃げ出さないか見張っていたマンドレーク。
マンドレークは面倒なことが嫌いで、いつももの静かで自分の時間や世界を奪われることを何よりも嫌います。
そして、ベラ・ヤーガやアーヤが少しでも気に食わないことをすると、真っ黒な底なし沼のような目に真っ赤な火花を散らして怒りました。
そしてアーヤがマンドレークの部屋にミミズを送ったことは、これまでになくマンドレークを激怒させました。
ミミズを送ったアーヤではなく、ミミズを呪文で出したベラ・ヤーガが悪いと怒り心頭のマンドレークは、金切り声で恐れおののくベラ・ヤーガに緑と黒の光の魔法で罰を与えました。
マンドレークはアーヤに対し、ベラ・ヤーガは今後アーヤにいじわるをしないこと、ちゃんと助手として魔法を教えるように言っておいたから、もう私の手をわずらわせるなと言いました。
そこですかさずアーヤはマンドレークに、明日から学校に行って親友のカスタードに会いたいこと、自分が学校に行っていればマンドレークは静かに過ごせるのでは?と提案します。
マンドレークは考えておこうというと、部屋に帰っていきました。
そしてアーヤはこれまでの出来事を振り返り、「私がうまくやれば、ベラもマンドレークもあやつれるようになる。」と笑ったのです。
【結末】快適な生活を手に入れたアーヤ
ミミズの罰の呪文の騒動から約1年が経った頃、アーヤはライム通り13番地の家ですっかり快適な生活を手に入れていました。
好きな時に外出もでき、毎日「聖モ―ウォード子どもの家」にも行けて全然寂しくありません。
自分の部屋も与えられて、ひなたぼっこでゆっくりしたり、いつでも友人を家に招き入れる権限まで手にしました。
また最近ではマンドレークが「アーヤちゃん」と呼ぶようになり、マンドレークの手下のデーモンもアーヤの言いなりでアーヤが好きな高級ホテルの朝食を準備してくれます。
召使のような生活はすっかりなくなりました。
最近の悩みと言えば、親友のカスタードが気味悪がってアーヤの家に遊びに来てくれないこと。
それでもアーヤは「きっとカスタードも私のいいなりに出来る、操れる」と思うのでした。
『アーヤと魔女』原作あらすじの感想

どんなに立場が弱くても周りに忖度せず、自分の幸せだけを追求できるアーヤ。
どんなにいじわるされても脅されてもへっちゃらで、もっと快適に暮らせるためにはどうしようかと考えて着々と実行していく姿が印象的でした。
アーヤの性格は本当に怖いもの知らずで、ずる賢く強い性格。
人にどう見られるか、ということも全く気にせず、あくまで「自分がしたいこと」「自分が幸せに快適に暮らせること」と第一に考えて行動します。
今までのスタジオジブリのヒロインは優しくまじめでおとなしくて…という印象ですが、アーヤは今までと180℃異なるジブリのヒロイン像で、とても意外でした。
『アーヤと魔女』の原作のアーヤは、スタジオジブリの映画のなかでどのように描かれるのでしょうか。
原作をどのように解釈して映画に落とし込むのか、とても楽しみです。




